受験生の皆さん、こんにちは、めだかです!
本記事では、以下の術によって公式暗記のコスパをあげる術をシェアしたいと思います!ポイントは以下の通りです!!
物理量は単位を抑えておこう!
受験物理は公式を覚えて、問題に応じて数字を当てはめていくだけ!
と思っている人も多いと思いますが、それをもっと楽にやろうよ!という内容になっています。
この記事を読んで頂ければ、うろ覚えの公式の数々がしっかり意味を持って記憶に定着するのではないかなと思っています!それでは始めてみましょう!
1.単位ってなに?
意外と多くの受験生が、単位を軽視しているように思います。でも、これをおさえておけば、公式を頭に叩き込むのはうんと楽になるんですよ!
そこで質問です。単位ってなんでしょう?めだか的には、
単位は物理量の意味
となります。
例えば、距離\(x\)には、[m]:メートルという単位が用意されていますよね。
あぁ、確かに距離はメートルだねって感じ。
ではもう少し深入りして、速度\(v\)には、[m/s]:メートル毎秒という単位が用意されていますね。
これはさすがに覚えてますよね?これからは、しっかり頭に入れてくださいね!
では最後ですが、加速度\(a\)は、[m/s2]:メートル毎秒毎秒という単位だったのは大丈夫ですか?
そんなの意味ない?いいえ、絶対に頭に入れてください。これが物理公式の習得のカギになります。
ちなみに、時間\(t\)の単位は?そう、[s]:秒でしたよね!
どうでしょう、ここまではとっても簡単でしたね!
2.単位は掛け算と割り算ができる
小学校で習う公式、
距離=速度×時間
これは誰でも知っていると思いますが、漢字の羅列ってイケてないですよね。
タイトルに記した通り、単位は掛け算と割り算ができるんです。
ですので、上で述べたことを使って、単位を書き添えて距離の公式を書きなおしてみましょう!
距離 [m]=速度 [m/s] × 時間 [s]
はい、どうでしょうか。分かりますよね。単位の方を見れば、右辺第一項分母にあるsが第二項分子のsと相殺されている様子が一目で分かりますよね。
なので、距離の公式はクールにこう書いてもいいわけです。
m=m/s × s
これって当たり前の等式ですよね。
逆に上のmが距離、m/sが速度、sが時間、ということが頭に入っていれば、最初の距離の公式に辿り着けます。
つまり、
単位は掛け算できる
ということが分かりました。いい感じですね。
では次に、中学校で習う公式を見てみましょう
圧力=力÷面積
これもまぁ大丈夫とは思うんですが、応用の利くやり方ですからしっかり押さえておきましょう。
圧力の単位は[N/m2]ということを頭に入れておきます。そのうえで、上と同じことをやると以下の通りになります。
圧力 [N/m2]=力 [N] ÷ 面積 [m2]
はい、単位を添えることで、物理量の持つ意味がなんとなく伝わってきますよね。力の単位であるN:ニュートンを面積のm2で割り算しますので、確かにN/m2が得られることが分かります。
なので、圧力の公式はクールにこう書いてもいいわけです。
N/m2=N ÷ m2
これって当たり前の等式ですよね。
逆に上のN/m2が圧力、Nが力、m2が面積、ということが頭に入っていれば、最初の圧力の公式に辿り着けます。
つまり、
単位は割り算できる
ということが分かりました。
3.異なる単位は足し算できない
ここは表題そのままです。例えば以下の物理量は足し算NGです。
- 圧力[N/m2]
- 力[N]
- 距離[m]
- 速度[m/s]
- 加速度[m/s2]
公式をうろ覚えだとよくやってしまう誤りです。
この「異なる単位は足し算NG」ルールを頭に入れておけば避けられますね!
でも、以下の3つはなんだか似ているので、なんとか足し算できるように工夫できないかな~なんて思ったりします。
- 距離[m]
- 速度[m/s]
- 加速度[m/s2]
だって、上記3つはメートルを基盤にしていて、それを秒で1回あるいは2回割っただけですからね。
なんとかならないでしょうか?
4.微分は割り算、積分は掛け算
【物理】【受験生応援】等加速度運動の公式は覚えなくてOK!でも記した通り、
- 位置を微分すると速度になります
- 速度を微分すると加速度になります
つまり、微分することで「位置」→「速度」→「加速度」と物理量が変わっていくという性質があります。このことは、単位に着目すると[m]→[m/s]→[m/s2]と変化していくことを意味しますから、
微分という操作は時間で割り算すること
ということが分かります。
他方、積分については同記事で述べた通り、
- 速度を積分すると位置になります
- 加速度を積分すると速度になります
ということで、積分することで「加速度」→「速度」→「位置」と物理量が変わります。すなわち、単位に着目すると、 [m/s2]→[m/s]→[m]と変化していくことを意味しますから、
積分という操作は時間を掛け算すること
ということが分かります。
5.公式暗記のコスパを良くする術
積分によって、 「加速度」→「速度」→「位置」 となるのでしたね。
単位に着目すると、[m/s2]→[m/s]→[m] です。
ということで、速度が与えられている問題で、距離を求めよと問われた場合、
「距離ということはm/sだね、ということは1回積分してmに直さなきゃね」
とか考えられるわけです。他方、加速度から距離を求める場合だと、
「距離ということはm/s2だね、ということは2回積分してmに直さなきゃね」
と考えればよいわけです。ちなみに、加速度から距離の公式を求める方法については以下の記事で詳しく述べていますので、そちらもご興味あればぜひ読んでみてください。
では最後に、等加速度運動の公式を眺めて、本記事で述べたことを確認してみましょう!
$$ x=x_0+v_0t+\frac{1}{2}at^2 $$
まず、左辺の\(x\)の単位は[m]ですね!これが基準になります。
次に、右辺第一項の\(x_0\)の単位も[m]でした。ちなみにこれは最初の位置でしたね。
次に、右辺第二項の\(v_0t\) です。\(v_0\)は初速度ですから単位は[m/s]、\(t\)は時間ですから単位は[s]。
「単位は掛け算と割り算ができる」のですから、この項の単位はsが消えて[m]となります。そして、右辺第一項の単位も[m]ですから、「異なる単位は足し算できない」ルールに反していないので足し算OKとなるわけです。
次に、右辺第三項の\( \frac{1}{2}at^2 \)です。まず、1/2は単なる数ですから(無次元といいます)無視しましょう。\(a\)は加速度ですから単位は[m/s2]、\(t^2\)の単位はs2。「単位は掛け算と割り算ができる」のですから、この項の単位はs2が消えて[m]となります。そして、右辺第一項と第二項の単位も[m]ですから、「異なる単位は足し算できない」ルールに反していないので足し算OKとなるわけです。
ここまでをビシッとまとめましょう。
位置=最初の位置+初速度×時間+1/2×加速度×時間×時間
こう書いてしまうと全く覚える気がしないですよね。単位を書き添えてあげると、
位置 [m]=最初の位置 [m] +初速度 [m/s] ×時間 [s] +1/2×加速度 [m/s2] ×時間 [s] ×時間 [s]
となって、少しは見通しが良くなるでしょうか。さらにクールにすると、
となって非常にスッキリですね。
ここで述べたことを習得して頂ければ、\(v_0\)に\(t\)を掛け忘れたり、\(a\)に\(t\)を1回しか掛けなかったりといった凡ミスがなくなります。
6.まとめ
本記事では「公式暗記のコスパをよくする術」をテーマに、以下のことを述べてきました。
- 単位には意味があります!頭にいれておきましょう。
- 単位は掛け算と割り算ができます。これだけで公式を覚える効率が良くなります!
- 異なる単位同士の足し算はNGです。逆に単位を合わせてあげれば足し算できます!
- その術は微分と積分です。それぞれ、割り算と掛け算に対応していて、公式導出の見通しをグッとよくできます!
皆さんの参考になれば幸いです!それではまた!