【書評】もしも徳川家康が総理大臣になったら【小説を通したリーダ本】

こんにちは、めだかです!

今日は、コロナ禍の日本を舞台にしたSF小説「もしも徳川家康が総理大臣になったら」をご紹介します!

わくわくするタイトルの本書、

  • 前半:伝説的な名将たちの活躍を通して現代ビジネスにも通じる教訓
  • 後半:名将たちのうちバグは一体誰!?を軸に展開されるハラハラドキドキ

を提供してくれます。一回の読書で二度おいしいといった具合です。

0.概要

まず、本書のあらすじを紹介させていただきます!

本書は大体こんな話です
  • 時代;2020年
  • 場所:日本
  • 登場人物:徳川家康、他
  • 目的:家康率いる内閣が「コロナを収束させ、地に堕ちた政府の信頼を取り戻す」
  • 見どころ:前半における各閣僚のリーダたる立ち振る舞いと、後半における歴史小説的なハラハラドキドキです!
  • あらすじ:各閣僚は、そのリーダシップをいかんなく発揮して、コロナからの施策を提案し次々と成功させていきます。この最強内閣が持つ行動力に国民は熱狂し、内閣支持率は異例の95%を叩き出すに至ります。しかしある時、「そういえばこの最強内閣を作ったAI技術は誰によって開発されてものだろう?」という疑問が沸き起こり、それを調べていた記者が行方不明になり、物語にミステリー色が加わることになります。

どうやって歴史上の人物が政治をするの?

あと、徳川家康、他って?

人工知能とホログラムの最新技術を使って蘇らせた、という設定です

徳川内閣の組織図は以下の通りです

  • 総理大臣:徳川家康
  • 官房長官:坂本龍馬
  • 経済産業大臣:織田信長
  • 経済産業副大臣:大久保利通
  • 財務大臣:豊臣秀吉
  • 財務副大臣:石田三成
  • 厚生労働大臣:徳川綱吉
  • 厚生労働副大臣:緒方洪庵
  • 農林水産大臣:徳川吉宗
  • 外務大臣:足利義満
  • 総務大臣:北条政子
  • 法務大臣:藤原頼長
  • 法務副大臣:江藤新平
  • 防衛大臣:北条時宗
  • 文部科学大臣:菅原道真
  • 文部科学副大臣:福沢諭吉
  • 領土問題担当大臣:楠木正成
  • IT担当大臣:平賀源内

一度は耳にした名前ばかりだけど、正直何をしたかまでは分からない人もいるな~

日本史を勉強し直してから読んだ方が楽しめるかな?

いえ、勉強の必要はありませんよ。

本書では、各人物についてさりげなく解説を入れてくれていますので、すんなり読めると思います

本記事では、主に前半部分から私が得た、リーダとしての心構え3選をお伝えしたいと思います。本書はSF小説でありながら、立派なリーダシップの参考書としての役割も果たします。結論は以下のとおりです!

  1. 決めること
  2. 任せること
  3. 矛盾と折り合いをつけること

どうでしょうか?深い感じがしませんか?順番に見ていきましょう!

1.リーダは決める

物語の冒頭、徳川内閣は日本中をロックダウンすることを決定します。すると当然、国民には生活費の補填が必要になるわけです。20年春、日本でもありましたよね、特別給付金10万円。色々と手続きが煩雑だったり、給付までに時間がかかったりとありましたが、個人的には良い取り組みだったと思います。

財務大臣豊臣秀吉はロックダウンするに当たって、「国民全員に」「一律50万円を」「10日間以内に」支給すると、記者会見にて宣言します。

え?そんなことできるの?

財源は?

本人確認は?

秀吉さん本人は全ての勝ち目が見えたうえで発言しているわけではないと思います。

色々と細かな手続きは必要でしょうけど、それはともかく決定するのが重要だと言っています。

ここで優れているのは抽象論ではなくて、

  • なにを(給付金)
  • いつまでに(10日間)
  • どのくらい(50万円)

とうのを正しく伝えきったところだと思います。

なるほどね~、それで結局上手くいったの?

そうですね。どうやって?とうことも本書では書かれていますが、それは実際に買って読んで頂くとして、ここではそこに至る過程を記したいと思います。

なにを、いつまでに、どのくらい、を定量的に決める

2.リーダは任せる

徳川内閣は、適材適所に人を置いて仕事を任せ、これにより各人のモチベーションを上げ、パフォーマンスを最大化する方策を採っています。全体の微調整をすることも必要ですが、基本的にはこれが重要と読み取りました。

それって丸投げってことでしょ?そんなの誰でもできるんじゃない??

誰にでもできることではありません。目標を達成する手段が頭に入っていれば、部下の仕事に少なからず干渉してしまうのは人のサガです。そうすると、部下のモチベーションが下がり、組織全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。反対に、手段が全く分かっていないのに部下に仕事を任せようとしても部下のやる気が起きませんから、結局目標を達成することはできません。

本書では、以下の布陣で適材適所を活かしていました。

  • 大岡越前:ロックダウンを遂行する警察組織の長
  • 新選組:反社会勢力を力で抑え込む猛者
  • 石田三成:給付金支給を確実に実行する指揮官
部下に任せてやる気を引き出す

3.リーダは矛盾と折り合いをつける

これが最も重要なメッセージかなと思いました。本書の後半で総理大臣徳川家康が、以下のようなことを言っています。

  • 人は生まれながらに自由
  • だけどすべては自由にならない
  • 集団で生きていくには、ある人に自由を与えると、それが別の人の不自由になり得る

だから、ルールを決めて線引きをしないといけない、というわけです。

平均的な会社でいうとこんな感じでしょうか。

●例一つ目

【自由】好きなときに出社してよい、出社しなくてもよい

【不自由】9:00までに出社し、17:30以降に退社しなくてはならない

【矛盾との折り合い】11:00-15:00をコアタイムとするフレックス制度を設け、成果主義を採る

●例二つ目

【自由】Aさんの仕事量を減らす

【不自由】職場の仕事総量は変わらないので、Aさんと同期であるBさんの仕事量を増やす

【矛盾との折り合い】AさんとBさんの査定に差をつける

折り合いのつけ方にはリーダの個性が出そうだね!

そうですね。少なくとも、何らかの方法で矛盾との折り合いをつけて、矛盾をそのまま放置するのはよくありませんね

ある人の自由は別の人の不自由、線引きをして折り合いをつける

4.まとめ

以上です。冒頭で述べた通り、本書にはリーダとしての心構えに関する学びに加え、歴史小説のドキドキ感も味わうことができますので、興味のある方は読んでみてください。

本記事では、以下3点について簡単に触れさせていただきました。

  1. 決めること
  2. 任せること
  3. 矛盾と折り合いをつけること

それでは今日も、ありがとうございました!

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