こんにちは!めだかです。
今日は私が10年くらい前に読んだ本でありながら、未だにその教えを心にとどめている本、
「初めての課長の教科書」
をざっくり紹介したいと思います。
本書は、
- はじめてと言わずあらゆる中間管理職の皆様
を対象として、
- 組織内で自身が取るべき行動の一つの指針
を示してくれる良書になっています。
非常に分かりやすい内容でありながら、日本企業に勤める部長・課長級管理職の方にとって普遍性のある内容なんじゃないかなと思っています。
それでは紹介を始めていきます、よろしくお願いします!
1.課長とは?
この問いに対して本書では、「予算管理に実質的な責任を持つ管理職の最下位」に位置付けられると述べています。
なるほど、確かにそうですね。
他方、「一般社員の最上位」に接している人、ということも言えると思います。
このような課長の特徴から、
と表現することもできると思います。
つまり、課長の立ち回り次第で、経営陣からの情報を一般社員に上手に伝えることもできれば、一般社員からの現場の情報を正しく経営陣に伝えることもできます。そして、隠ぺいすることもできてしまいます。
したがって、課長の振る舞いはその企業の風通しの良し悪しを大きく左右するということになります。
さて、そんな課長の重要ミッションとは何か?
それは、課長の所属する組織(課)のパフォーマンスを最大化することです。
そのための方策として、以下が重要であると論じています。
- 部下のモチベーションを高めること
- 自身がプレイングマネージャにならないこと
順番に見ていきましょう。
まず、部下のモチベーションの話は分かると思います。
組織を構成する人たちが元気に働いていることは、組織がパフォーマンスを上げるための必要条件と言えるでしょう。
とすると、課長もその先頭に立って、バリバリと直接的な作業をするべきでしょうか?
それについては2つ目のポイントではっきりノーと言っています。
2つ目のポイントは、課長はルーチンワークをしっかりとこなすべきであると記されています。
課長の仕事に慣れていれば、ルーチンワークだけだと早く仕事が終わってしまうのでは?
それだったら部下の仕事を手伝ってあげれば?
という声が聞こえてきそうですが、ここではそのように動きません。
課長は、課長のルーチンワークをこなしつつ、部下のルーチンワークを奪ってはなりません。
部下の成長機会を奪うことになるからです。
では、上手く仕事をこなして余った時間は?というと、非ルーチンワークへ即座に対応することです。
日常業務以外の突然降ってくる仕事ってよくありますよね。
これには課長が率先して対応すべきです。
こうすることで、部下のルーチンワークを停止させることもありませんし、非ルーチンワークへ課長が先頭に立って対応することで、課長の課長たる所以を組織に示すこともできるからです。
2.こんな時どう行動すべき?
本書では、課長が直面する色々なシーンに対しておススメの行動を促してくれています。
このパートでは、私が特に心に留めている事柄をいくつかピックアップしてシェアさせていただきたいと思います。
この場合ですが、部下を一人の人間として尊重して、大事に扱うことを強く推奨しています。
なぜなら、この行動がモチベーション向上/維持につながるからです。
本書では、部下の𠮟り方と褒め方について、非常に単純ですが効果的な以下の指針を記してくれています。
これです。シンプルですよね。
多くの人は叱られるのは嫌なものです。
特に周りに人がいる目の前で叱られるのはかなりの苦痛を伴います。
ですから、個室に呼び出すなどして、諫めてあげるのです。
その時、「今回の事実はこうだったから」「以降はこのようにしてほしい」と上から目線ではなく、対話を促すようにするのがベターでしょう。
これは部下の特質にもよりますので一概には言えませんが、叱るというよりも、「僭越ながらアドバイスさせてもらいますね」といったスタンスで臨むのが、お互い気持ちいいのではないでしょうか。
次に褒めるケースですが、多少大げさでも皆に見せつけるように褒めるのが良いでしょう。
これも部下の人柄に依存しますが、すごく喜ぶ人もいれば、ちょっと照れくさいのでその辺で勘弁してくださいといったシャイな方もいるでしょう。少なくとも、マイナス側に気持ちが触れることはないですよね。
こんな簡単な行動ですが、これらは全て、前のパートで述べた「部下のモチベーション向上」に資するものです。
多くの会社が相対評価で人事査定を行っているはずです。
すなわち、昇給という限られたカードを、全員に行き渡るように配ることができない、ということです。
したがって、相対的にパフォーマンスが低い部下に対しては、低い人事評価をせざるを得ません。
これは、モチベーションの危機と言えます。さあ、どうしましょう!?
これに対する答えは以下の通りです。
- 予めサインを送っておく
- 面談では次の機会を楽しみにしていると告げて、低い評価理由をクドクド言わない
まず最初のサインです。これは、予め評価を下げざるを得ない部下に対しては、面談前に「働きが期待を下回っている」と伝えることを意味します。
これ自体、言うほうも言われるほうも心的ストレスがありますが、心の準備をしてもらう意味があります。
つまり、面談時に突然低い評価を言われるときのショックを、予め弱めておこうというわけです。
これにより、モチベーションの低下をなるべく抑えようという試みになります。
次に、面談時に伝えることですが、評価が低い理由は予めサインとして送っているわけですから、改めてそれをクドクド言われても耳が痛いだけで何の益もありません。
単に、次の機会(普通は一年後?)には楽しみにしているとだけ伝えて、気持ちを切り替えてもらう方が得策です。
ここでは、言わばご自身のライバルから蹴落とされようとしているケースを取り上げます。
年代や実績が近い課長さんって結構いると思うんです。
ある程度大きな会社になると、どっちが先に出世するかみたいな社内政治って、多かれ少なかれあると思うんですよね。
これについて本書に記載されている内容は、
と述べられています。
そうすることで、ライバルの戦う心理的なバネを砕いてしまい、結果的に勝利を収められるでしょう、というわけです。
私個人としては、ライバルを褒めるという行動自体は大賛成です。
ですが、それが勝利に結びつくかは疑問でして、人事権を掌握している幹部に自身のことを悪く言われて印象操作でもされようものなら、ひとたまりもないでしょう。
でも、それはそれでいいかなと思っています。
つまり、ライバルが自分を蹴落とそうとするから自分もやり返す、という行動は、自分の価値を下げることになりませんか?
結局、そのライバルと同じ行動を取ってしまっているのですから、ご自身も同じレベルの人、という風にみられるのは想像に難くありません。
仮に誰に見られていなくても、自分自身がそれを覚えていますよね。
そんな自分とず~っと一緒にいるのはなかなかしんどいものがあると思います。
そうなるくらいなら、仮に蹴落とされても気高くありたいなと思う次第です。
後半、ちょっと熱めでしたね。
3.まとめ
本記事では、あらゆる中間管理職の皆様におススメできる良書として「はじめての課長の教科書」を紹介させていただきました。以下、まとめです。
- 課長は部下のモチベーションを高めるのが最大のミッション
- 非ルーチンワークへ素早く対応するために、普段はルーチンワークに徹する
- 部下を叱るときはこっそりと、褒めるときは皆のまえで!
- 低い人事評価をせざるを得ない時は予めサインを送っておく
- 社内政治に巻き込まれたら、そのライバルを褒めるのが有効
以上、めだか的名著「はじめての課長の教科書」のエッセンスをギュッと閉じ込めてシェアさせていただきました。参考になれば幸いです!