こんにちは、めだかです!
本日は、会計にまつわる物語「ドラッカーと会計の話をしよう」を紹介したいと思います。
理論を中心に書かれた書物や例題を交えた読み物など、ビジネスパーソンにとって重要なスキルの一つである会計に関する本はいくつもありますが、本書は物語を通して会計の考え方が身につくように工夫されています。
したがって本書は、
- 会計に興味のある全ての方
に向けて
- 堅苦しくなく気軽に学びたい
といった要望に応えるつくりになっていると思います。
本記事では、私が本書を読んで感銘を受けた箇所を順不同でピックアップして記していきたいと思います。それではよろしくお願いいたします!
1.物語の流れ
本書は「物語を通して会計が分かる」と記しました。ここでは、どんな物語なのかということを記したいと思います。
本書は2つのパートから構成されています。
まず、パート1です。レストラン経営に悩んでいた元銀行員の純一が、ロサンゼルス行きの航空機で、たまたまファーストクラスにアップグレードされます。その際、隣に座っていた西園寺という男と話をするうち、純一のレストラン経営にたくさんの穴があることを思い知らされます。最初は胡散臭いと思いながら聞いていた純一ですが、西園寺との対話を通してレストラン経営への熱い想いが蘇ってきます。実は純一は、ロサンゼルスへはレストランを売却する商談に行くつもりでしたが、、
- 場所:航空機内のファーストクラス(ロサンゼルス行き)
- 主な登場人物:西園寺(ドラッカーの代弁者)、ケイ子(客室乗務員)、純一(レストラン経営に悩む元銀行員)
- キーワード:利益/キャッシュフロー、商品ライフサイクル、コストの90%はムダ、ABC原価計算
次に、パート2です。今度は病院経営に悩む副院長である大介を中心とした話です。大介は、志の高い医師で、金もうけに走る院長と、病院としてのミッションとの狭間で悩んでいます。例によって西園寺の隣に座ることになり、病院はミッション第一で良いのか、金もうけは本当に悪いことなのかという対話をすることになります。本当はロンドンに行って日本には戻らない決心をしていた大介でしたが、その対話を通して徐々に心情に変化が訪れます、、
- 場所:航空機内のファーストクラス(ロンドン行き)
- 主な登場人物:西園寺(ドラッカーの代弁者)、ケイ子(客室乗務員)、大介(病院経営に悩む副院長)
- キーワード:企業にとっての責任、企業の目的、マーケティングとイノベーション、QCD、生産性
このような感じで、ドラッカーの代弁者である西園寺と、悩める経営者がたまたま航空機内で出会い、対話を通じて、経営とはなにか、どうあるべきかを見出していきます。面白そうでしょう?
以降、本記事では、私がタメになったと感じたパート2の内容を中心に、いくつかの話題をシェアしたいと思います!
2.企業にとっての責任は存続すること
私めだかは、この本を読むのは2回目(前に読んだのは5年くらい前)なんですが、この「存続」というのをずっと覚えてたんですよね。
普段、エンジニア管理職として一応組織をリードする立場ではあるんですが、モチベーションを上げるとか生産性を向上とか言う前に、組織として「存続」しないといけないよね、と。
正直、この本で読んだ内容だということは忘れていたんですが、今回の2回目の読書で思い出しました、やっぱりドラッカーってすごい!
つまり、営利企業にせよ非営利活動法人にせよ病院にせよ、「存続」しない限りは、世の中に対して何ら価値を提供できないわけですね。
会社という傘に守られている一組織にしても同様で、仮に組織が解散しても、所属していた人たちは別の部署に異動するだけではあるんですが、組織を「存続」するために戦略や戦術を練って行動に移し、そこから得られる経験って大きなものがあるんですよね。実は私、そういうところにいるんです^^ だからものすご~く共感できます。
3.企業の目的の定義はただ一つ、顧客を創造すること
では、存続するにはどうしたらよいの?という話ですが、上記の目的である「顧客の創造」によって実現されるという話ですね。うーん、耳が痛い。新しい顧客を開拓しなくてはならないということですね。
それにはどういうことをすればよいの?という問いが次に湧いてくるわけですが、ドラッカーはちゃんと答えを用意してくれています。それは「マーケティング」と「イノベーション」です。英語だとちょっとピンとこないですね。以下にかみ砕いた文章を入れておきます。
顧客は何に価値を見出し、必要とし、満足するか
顧客の価値を生み出すに当たり、いかにムダを排除し、生産性を向上させるか
いずれも顧客の価値を生み出すための活動ですが、「マーケティング」では価値を定義するのに対し、「イノベーション」は価値を上手に生み出す仕組みを考えます。つまり、両者を上手く回すことで顧客を創造できるというわけですね。
次に、どうやればよいの?という質問になると思いますが、残念ながらズバッとした答えはありません。業態やその時の競争環境によって取るべき選択肢が変わってくるからです。それでも、生産性を上げるという点については、
- やらないことを決める
という有用なヒントが示されています。「やること」ではなくて「やらないこと」ですよ。身の回りに、慣習としてやっているけれど、明らかに無駄な作業や手続きってありませんか?そう!それです!!
ECRS(Eliminate:取り除く、Combine:組み合わせる、Replace:置き換える、Simlify:簡単化する)というフレームワークがありますけれど、そういった視点です。
4.まとめ
今回は、「ドラッカーと会計の話をしよう」のうち、パート2からいくつかの興味深いエッセンスを紹介させていただきました。まとめると以下の通りです。
- 組織の責任は存続すること
- 存続するためには顧客の創造が必要である
- 顧客を創造するにはマーケティングとイノベーションが必須である
- マーケティングは顧客の価値に、イノベーションはそのための業務活動に着目する
- まずは何をやらないかを決めよう
物語を読みながら、経営の必須スキルである会計について学ぶことができる良書で、とてもおススメです!
最後まで読んで頂きありがとうございました!